パワハラ防止法施行 企業に求められる対策
以前のブログで2020年6月に施行されたパワハラ防止法によりどのような変化があるかをご紹介いたしました。前回のブログをご覧になられていない方は下記のリンクからご欄いただけます。
今回のブログではパワハラ防止法施行により企業側にどのような対策が必要になってくるのかについてご紹介させていただきます。
1.企業に求められるパワハラ防止措置義務
パワハラ防止法では企業側に具体的なパワハラ防止措置が義務化されました。
具体的には下記のような内容になります。
●事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
・パワハラ防止の社内方針を定め、従業員にパワハラ防止の周知・啓発を行う
・パワハラを行った従業員への罰則規定の策定
●相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・相談窓口の設置(外部委託も可)
・相談窓口担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるようにする
●職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
・事実確認を迅速かつ正確に確認する
・事実関係の確認ができた場合、被害者に対する配慮のための措置を適正に行う
・パワハラ行為者に対する措置を適正に行う
・再発防止措置を講ずる
●併せて講ずべき措置
・相談者、行為者等のプライバシーの保護
・相談や事実確認への協力等で不当な取り扱いを禁止する規定策定と周知
以上4点の義務項目があります。今回のブログでは2番目の相談窓口の設置・窓口担当者の対応に焦点を当てて企業側の対策方法を考えていきたいと思います。
パワハラ防止措置を講じる初期段階で社内に相談窓口を設置し担当者を置くとなった場合にその担当者の方は専門的な知識がなく適切な対応が取れるかどうかという問題が考えられます。相談窓口については社内に設置しないといけないという制限はなく外部委託という形を取ることも可能になります。
2、相談窓口を外部委託するメリット
・相談のしやすさ
社内に相談窓口を設置したとしても従業員の方は情報が守られるか不当な扱いなどを恐れて相談しないという意見が多くあります。
・専門知識を持った相談員が対応してくれる
社内ですぐに専門的な知識をもった従業員を養成することは難しいと思います。外部委託することで専門的な知識をもった方に相談することで適切な対応を取れることが可能になります。
・ストレスチェックを行うことが可能
ストレスチェックサービスで専門家への相談を促し、実際に相談まで行うことが可能なサービスを行っている場合もあります。現在、社内にパワハラが存在していないか調査することも可能になります。
3、相談窓口を外部に設ける場合の選び方
顧問先の社労士事務所にお願いしたり、パワハラ相談窓口のサービスを利用したりと選び方は多種多様で何を選択したらいいのか選定に悩まれることが考えられます。選び方の一つとして現在お使いの給与ソフトや人事管理ソフトと連携できるストレスチェックサービスから選定する方法があります。
パワハラの相談窓口の設置にストレスチェックサービス?と思われた方もいるかと思います。現在のストレスチェックサービスの中にはパワハラのチェック項目を設けているもの、ストレスチェックの結果をもとに専門家への相談を促し、実際に相談まで行えるサービスを備えたものが増えてきています。
ストレスチェックサービスを用いてパワハラがすでに発生していないか現状を把握することもできます。併せて相談窓口のサービスも活用することも可能となっており一石二鳥です。
4、まとめ
すでに社内に相談窓口を設置しているという企業も多いかと思います。しかし、社内の相談窓口は相談がしにくいというデメリットがありパワハラ防止に繋がりにくいと考えられます。パワハラ防止法施行を機に外部の相談窓口の設置を検討してみるのはいかがでしょうか。
現在、使用している労務管理ソフトと連携できるストレスチェックサービスがあるか知りたいなどございましたらお気軽にご相談ください。