経営管理できていますか?~CVP分析②目標営業利益を達成するための売上高~
以前のブログでは、損益分岐点の売上高についてご説明をいたしました。
今回は、『目標営業利益を達成する売上高の計算』についてご説明いたします。
目標営業利益を達成する売上高を計算するには、「営業利益=目標利益」としたときの直接原価計算による損益計算書を作成して計算します。
目標営業利益を達成する売上高の計算①
例として、下記のデータを使用して計算します。
目標とする営業利益の額:8,400円
◆原価のデータ
①変動費 |
@120円 |
②固定費(合計4200円)
|
加工費(固定費)2,400円 |
固定販売費・一般管理費1,800円 |
目標利益を達成する販売量をX(個)とした場合の損益計算書は下記の例のようになります。
◆損益計算書(直接原価計算)
Ⅰ.売上高 400X
Ⅱ.変動費 120X
貢献利益 280X
Ⅲ.固定費 4200
営業利益 8400
貢献利益280X-固定費8400
280X=8400+4200
X=45
@400×45個=18,000円 ← 目標営業利益を達成する売上高
目標営業利益を達成する売上高の計算②
また、目標営業利益を達成する売上をS(円)として計算した場合は、下記のようになります。
◆損益計算書(直接原価計算)
Ⅰ.売上高 S
Ⅱ.変動費 0.3S
貢献利益 0.7S
Ⅲ.固定費 4200
営業利益 8400
〇変動費率:120円÷400円=0.3
〇貢献利益率:(400円-120円)÷400円=0.7
0.7S-4,200=8400
0.7S=4,200+8,400
S=18,000円←目標売上利益を達成する売上高
上記の式より、目標営業利益を達成する売上高「S」は営業利益8,400円と固定費4,200を貢献利益率0.7で割って計算していることが分かります。
したがって、次のCVPの公式を使って目標営業利益を達成する売上高を計算することもできます。
目標営業利益を達成する売上高=(営業利益+固定費)÷貢献利益率
ただし、実際の現場では、売上高を増やそうとすると、製品の生産量や仕入高を増加させる必要や、販売活動も増加させる必要が出てくるかと思います。すると、貢献利益率が変わってきます。
また、追加投資をおこなった場合、固定費も増加します。
このように、売上高が増えれば、貢献利益率も固定費も変わります。
上記のような貢献利益率の変動や、固定費の増加についても十分に考慮したうえで計算を行う必要がある事に注意して下さい。
上記のように手作業で行うと大変な分析も、会計ソフトを使用するとラクになります。
他にも様々な経営分析を行う事が可能になりますので、経営分析の観点からも会計ソフト導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。
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