【R3年1月1日育児・介護休業法改正】子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得が可能に~実務編~
~概要編~では制度の概要と改正のポイントをご説明いたしました。
今回は厚生労働省の「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」から一部抜粋をした、実務のポイントについてご説明します。
育児・介護休業法について|厚生労働省
このブログの内容を5分で分かる動画で作成いたしました。よろしければご覧になってください。(音声が流れます。音量にご注意ください)
前提条件として、「時間」とは、1時間の整数倍の時間をいいます。
つまり、1時間単位での取得となります。
(例えば、会社側で2時間単位での休暇を認め、1時間単位での取得を認めないとするような取り扱いはできません。)
子の看護休暇・介護休暇1日分の考え方
ポイント
・休暇を日単位で取得するか時間単位で取得するかは労働者の選択に委ねられます。(会社側で指定する事はできません。)
・1日の勤務時間全て休暇を取得する場合、「1日分」の休暇の取得となります。
・時間単位で休暇を取得する場合は、休暇を取得した時間数の合計が1日の所定労働時間数に相当する時間数になるごとに「1日分」の休暇を取得したものとして処理しますが、1日の所定労働時間数に1時間に満たない端数がある場合には、端数を時間単位に切り上げる必要があります。
(例)1日の所定労働時間が7時間30分の場合で、年5日分の休暇が取得可能な場合
1日分として取得した場合は、「7時間30分=1日分」となります。(難しく考えず、丸1日の休暇を取得した場合は、1日分の休暇としてカウントすると考えましょう)
時間単位で取得した場合は、7時間30分=1日分ではなく、30分の端数を切り上げた「8時間=1日分」となります。
7時間の休暇を取って、30分出勤した場合でも、下記のように残り時間30分ではなく、残り時間1時間となる事に注意しましょう。
【誤った計算方法】
×所定労働時間7時間30分-実際に取得した時間7時間=残り4日+30分
【正しい計算方法】
〇休暇1日分(端数を切り上げた所定労働時間8時間)-実際に取得した時間7時間=残り4日+1時間
日によって労働時間数が異なる労働者
ポイント
日によって労働時間数が異なる労働者の計算は「平均所定労働時間」を計算に使用する所がポイントになります。
・時間単位で介護休暇を取得できるのは、「(休暇を取得する日の)所定労働時間数未満の時間」となります。
⇒(例)所定労働時間が8時間の日に、時間単位の休暇が取得できるのは7時間までとなります。
・日によって1日の所定労働時間数が異なる労働者について、休暇を取得する日の所定労働時間数と同じ時間数の休暇を取得する場合には、日単位での休暇の取得として取り扱う事となります。
・時間単位で休暇を取得する場合は、その日の所定労働時間数で計算するのではなく、平均労働時間数で計算を行います。
(例)日によって所定労働時間が異なり、1日の平均所定労働時間が7時間で、年5日分の介護休暇が取得可能な場合
各パターンの解説ですが、
①休暇を取得する日の所定労働時間が6時間の場合(休暇を取得する日の所定労働時間=休暇時間になる場合)
6時間の日に6時間の休暇を取得した場合は「1日分」としてカウントします。(丸1日の休暇を取得した場合は、1日分の休暇としてカウント)
②休暇を取得する日の所定労働時間が8時間の場合(休暇を取得する時間が平均労働時間を下回る場合)
所定労働時間ではなく、平均所定労働時間を計算に使用します。
考え方としては、「休暇1日分=平均所定労働時間7時間」として考えます。
所定労働時間ではないので注意してください。
〇休暇1日分(平均所定労働時間7時間)-実際に取得した時間(6時間)=1時間(残り4日+1時間)
となります。
③休暇を取得する日の所定労働時間が10時間の場合(休暇を取得する時間が平均所定労働時間を上回る場合)
考え方は②と同じですが、異なるのは休暇を取得する時間が平均労働時間を上回っている点です。
その場合、「7時間=1日分」とカウントしますので、7時間を超えた時間に関しては1日分とカウントします。
平均労働時間7時間、実際に取得した時間が8時間の場合ですと、「8時間=1日+1時間」となり、残りの日数計算は下記のようになります。
〇休暇5日分-実際に取得した時間(8時間=1日+1時間)=残り3日+6時間
休憩時間の取り扱いについて
休憩時間は休暇の取得時間に含みません。
休憩時間を除く、実際に労働に従事する事となる時間帯でみて、休暇を取得することになります。
上記の例でいいますと、休憩時間を除いた合計4時間が休暇取得時間となります。
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