勤怠集計と就業管理の違い
働き方改革改正法が施行され、早2年が経ちます。多くの会社が、今までは出勤簿だったり、紙のタイムレコーダーだった就業管理を、本格的な勤怠管理システムを導入する事で、改正法に対応している真っ最中かと思われます。
今回は、就業管理システムを導入する上で、何を目的として導入するのかといった観点でお伝えします。
勤怠集計とは・・・
タイムカードの出勤時間と退勤時間をみて、所定内の労働時間と時間外の労働時間を集計し、勤怠日数や勤怠時間から残業手当など計算し給料へ反映させるために行っている業務の事です。
給料明細書をみると、勤怠時間が記入されているものが多くみられます。
出勤日数・・・20日
出勤時間・・・160時間
残業時間・・・20時間
深夜残業・・・5時間
有休消化・・・2日
など、これらは給与担当者が、紙のタイムカードから1ヶ月分の勤怠時間を手集計し、それを給与計算ソフトに入力していた内容です。
就業管理システムの勤怠集計では、従業員がIDカードをタイムレコーダーへかざし、出退勤打刻データを取ることで、労働時間を自動計算し、1ヶ月分の集計を自動で行わせて業務効率を改善させることができます。これが勤怠集計です。
毎月の給与計算に多くの手間や人手がかかってしまうのを何とか自動化したいと導入するケースもあるため、まずは勤怠集計を目的として就業管理システムを導入する事を目指しても良いかと思われます。
就業管理とは・・・
会社が従業員を雇用する場合は、労働基準法などを遵守しなければなりません。実際に、近年では長時間残業などが問題になり、法定時間を守っていないブラック企業などがニュースに取り上げられたりしました。
長時間労働をさせないため、今回の働き方改革改正法では、残業時間の上限を設けています。
原則としては、
残業の上限、1ヶ月45時間、1年360時間以内です。
しかし、これだけの時間しか残業出来ないとなると、業種によっては会社が回って行かないため、「労使協定を結ぶことで、残業時間の上限を引き上げることができる【36協定】」を結んでいる場合が多くあります。
仮に36協定を結んでいたとしても、その上限も厳しく制限されていて、
単月であれば、100時間未満
複数月の平均であれば、80時間未満
年間であれば、720時間以内
1ヶ月45時間を越えられるのは6回まで
といったように労働基準法では定められています。
よって会社は、36協定を結んだ内容より多く働かせないためにも、月の途中や年の途中で、従業員が働きすぎていないか、厳しくチェックする必要があります。
これらを就業管理と呼び、残業時間を抑制したり、労働をひとりに集中させないように配慮することも求めれらます。
そのすべてを人間がチェックすることはほぼ不可能のため、就業管理システムを使って、月の途中や年の途中で、「この人は残業が多いです!」といった警告を自動で行うような仕組みを取り入れるために導入することもあります。
また年次有給休暇も1年間で5日以上の取得が義務付けられていて、今従業員が何日、有休を取得しているか把握できるようにするための有休管理も就業管理の一部として考えられています。
他にも入社時・退社時など労務手続きなど、総務にとっては人に関わる様々な業務があり、全てを一気に自動化していくことは難しいと思いますが、目的を明確にしていけばどの業務からシステム化していけばよいか。といった点が浮き彫りになるかと思います。
弊社では、目的に沿った適切なシステム選定のご相談も受け賜っております。