バックオフィスのDX化が進まない理由、失敗事例から成功ポイントを解説-前編-
近年、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。様々な企業で業務効率や労働環境を改善するためにDXの取り組みが求められています。一方で、DXをうまく進められない企業や、DXによる成果を実感できていない企業が多いのも事実です。
本記事では、バックオフィスのDX化が進まない理由や課題、失敗例を交えながら、DXを推進するための方法を紹介します。後編ではDX化の成功事例も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.DXとは何か?デジタル化との違いと必要性
- 1.1.デジタル技術を活用した変革
- 1.2.従来のIT化との違い
- 1.3.DX化の必要性
- 2.バックオフィスにおけるDX化の課題、進まない理由
- 2.1.DXやITに関する知見が少ない・人材不足
- 2.2.全従業員の協力が必要になる
- 2.3.既存の方法からの移行が不安
- 2.4.ランニングコストが掛かる
- 3.よくある失敗例
- 3.1.経営層の理解不足 -製造業-
- 3.2.目標設定の不明確さ -小売業-
- 3.3.担当者の不足 -金融機関-
- 3.4.予算不足 -サービス業-
- 3.5.社内の抵抗 -製造業ー
DXとは何か?デジタル化との違いと必要性
DXとは、単にデジタル技術を導入することではありません。ビジネスモデルや組織構造全体をデジタル技術を活用して変革することです。デジタル化は、既存の業務をITシステムで自動化することなどを指します。
DXが必要となる理由は、時代の変化に対応するためです。近年、AIやIoTなどの技術が急速に発展しており、ビジネス環境も大きく変化しています。生き残るためには、企業はこうした変化に対応できる新しいビジネスモデルを構築する必要があります。
(DXの構造イメージ)
デジタル技術を活用した変革
近年、企業における「DX化」が急速に進んでいます。DXとは、Digital Transformationの略称で、デジタル技術を活用して、業務や組織、そしてビジネスモデルそのものを変革することを指します。
従来のIT化とは異なり、単に業務を効率化するだけでなく、新たな価値を生み出すことがDX化の目的です。
従来のIT化との違い
従来のIT化は、既存の業務プロセスをITシステムで自動化することに重点を置いていました。
一方、DX化は、デジタル技術を活用して、新しいビジネスモデルやサービスを創造することに重点を置きます。そのため、DX化には、単なるIT導入だけでなく、組織改革や人材育成なども必要となります。
DX化の必要性
近年、急速な技術革新とグローバル競争の激化により、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。このような状況下で、企業が生き残るためには、デジタル技術を活用して、業務や組織、そしてビジネスモデルを革新することが必要不可欠です。
DX化を成功させることで、企業は競争力を強化し、持続的な成長を実現することができます。
バックオフィスにおけるDX化の課題、進まない理由
バックオフィスのDX化の重要性は理解しているものの、DX化を始められない企業も多いのではないでしょうか?DX化に着手できない理由はさまざまありますが、多くの企業が直面する課題は、以下の点が挙げられます。
DXやITに関する知見が少ない・人材不足
バックオフィスDXに失敗しやすい企業の最大の特徴は、DXやITに関する知見が少ない、あるいはそういった分野への関心やスキルのある人員が足りていないことです。
DXは一度組織に馴染んでしまえば強力な導入効果を発揮しますが、施策をなじませるには相応の時間とスキルが必要になります。
全従業員の協力が必要になる
ソフトによっては担当者のみならず全従業員の方に関わる運用になる可能性があります。
例えば、給与明細の電子化や勤怠管理等です。給与明細の受取方法や勤怠での打刻方法の変更を伴う為、事前の社内への周知説明が必要となります。
今までの方法と異なる運用になる為、戸惑う従業員の方がいらっしゃるかもしれません。理解を得る為の事前の説明が必要となります。
既存の方法からの移行が不安
普段慣れている方法からの移行となるとソフトの使い方を覚えないといけない、慣れるまでに時間を要する可能性があります。
DX化を進めるためには、企業文化を変革する必要があります。しかし、変化への抵抗がみられるケースもあり、組織全体で意識改革を進めることは容易ではありません。
ランニングコストが掛かる
買い切りの製品ではない為、月額での料金が発生します。現状紙やエクセルでの業務を行っている場合は、今までになかったコストが発生する形となる為、メリットとデメリットを考え検討をする必要があります。
ここまでがDX化の課題、進まない理由についてでした。これらを理解していても、実際にDXプロジェクトを進めると思わぬ落とし穴があります。ここからは失敗例をみていきます。
よくある失敗例
DX化は簡単ではありません。多くの企業が失敗を経験しています。ここでは、DX化のよくある失敗例とその原因、対策について詳しく解説します。
経営層の理解不足 -製造業-
ある製造業の企業は、ライバル企業のDX化への危機感から、社内にDX推進プロジェクトを立ち上げました。しかし、経営層はDXの重要性を十分に理解しておらず、具体的な目標も設定されていませんでした。 その結果、プロジェクトは中途半端な取り組みに終わり、成果を出すことができませんでした。
DXを成功させるためには、目的意識の欠如と中途半端な取り組みはご法度です。経営層がDXの重要性を理解し、コミットメントすることが不可欠です。経営層自らが率先して変化を体現し、明確なビジョンと目標を掲げる必要があります。
目標設定の不明確さ -小売業-
ある小売業の企業は、顧客満足度向上を目的として、顧客管理システムを導入しました。しかし、具体的な指標が設定されておらず、導入後の効果を測定することができませんでした。その結果、システム導入の効果が不明確となり、投資に見合う成果を得ることができませんでした。
DXを成功させるためには、具体的な目標を設定することが重要です。目標達成のための指標を定め、定期的に進捗状況を測定することで、軌道修正を図ることができます。
担当者の不足 -金融機関-
ある金融機関は、業務効率化を目的として、RPA(ロボット・プロセス・オートメーション)を導入しました。しかし、RPAツールの操作スキルを持つ人材が不足しており、導入後の運用に支障をきたしました。 その結果、RPAの効果を発揮することができず、投資に見合う成果を得ることができませんでした。
DXを成功させるためには、必要なスキルを持つ人材を確保することが重要です。推進力不足とマンパワー不足では対応が難しいでしょう。
予算不足 -サービス業-
あるサービス業の企業は、ビッグデータ分析による新商品開発を目指して、データ分析ツールを導入しました。しかし、導入費用や運用コストが想定よりも高く、予算不足に陥ってしまいました。その結果、データ分析ツールの機能を十分に活用することができず、新商品開発の成果も上が りませんでした。
DXを成功させるためには、十分な予算を確保することが重要です。燃料不足の車が走るはずがない様に、導入費用だけでなく、運用コストや人件費なども考慮し、現実的な予算計画を立てる必要があります。
社内の抵抗 -製造業ー
とある製造業企業は、ペーパーレス化を目的として、社内文書管理システムを導入しました。しかし、現場の社員は、新しいシステムに慣れず、抵抗を感じました。その結果、システムの利用率が低くなり、ペーパーレス化の成果が上が りませんでした。
DXを成功させるためには、社内の理解を得ることが重要です。事前に社員にDXの目的やメリットを説明し、変化への不安と慣れない仕事への戸惑い・不安を解消する必要があります。
ここまで、DX化への課題やよくある失敗例を解説しました。DX化は、企業競争力を強化し持続的な成長を実現するための重要な取り組みです。しかし、失敗するリスクも伴います。上記の失敗例を参考に、適切な対策を講じることが重要です。
後編は、DX成功のポイントについて詳しく解説します。
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