「法定調書は電子申告でここまで効率化できる!」

毎年1月にやってくる法定調書の提出業務。従来は紙での提出が一般的でしたが、現在は電子申告(e-Tax)が推奨されており、多くの企業が移行を進めています。
本記事では、法定調書の電子申告の概要とメリット、導入にあたってのポイントを整理します。
目次[非表示]
- 1.法定調書とは
- 2.電子申告義務化について
- 2.1.義務化の背景
- 2.2.義務化の対象となる企業
- 3.電子申告を導入するメリット
- 3.1.1. 税務署へ出向く必要がない
- 3.2.2. 提出期限ギリギリでも対応しやすい
- 3.3.3. 控え・提出履歴をデータで管理できる
- 3.4.4. 記載内容のチェックがしやすい
- 3.5.5. 環境負荷・コストの削減
- 4.電子申告の方法と注意点
- 4.1.e-Tax
- 4.2.eLTAX(地方税ポータルシステム)
- 4.3.光ディスク等
- 4.4.クラウドサービス
- 5.これからの時代は“クラウドで完結する”業務へ
- 6.まとめ
法定調書とは
法定調書は、所得税法や相続税法などの法律によって、税務署に提出しなければならないと定められている書類の総称です。税務署は、特定のお金の支払いがあった場合に、その事実を届出させることで、お金の動きを把握します。適正な課税が行われているかを確認するために提出させる資料が法定調書です。
電子申告義務化について
義務化の背景
国税庁は、税務行政の効率化や事務処理のペーパーレス化を進めています。
その一環として、 法定調書の提出についても電子申告を原則化。
大量の紙を扱う負担を減らし、行政側・企業側の双方にとってメリットを生むことが狙いです。
義務化の対象となる企業
電子申告が義務化される基準は段階的に厳格化されています。
2026年(令和8年)分まで:提出する法定調書の枚数が 100枚以上の場合、電子申告が必須。
2027年(令和9年)分以降:提出する法定調書の枚数が 30枚以上の場合、電子申告が必須。
つまり、これまでは大規模法人や大量に調書を発行する企業が中心でしたが、
2027年以降は中堅企業でも対象になるケースが大幅に増えることになります。

出典:国税庁 PDF「 e-Tax等による法定調書の提出が義務化されています 」
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電子申告を導入するメリット
1. 税務署へ出向く必要がない
電子申告を利用すれば、税務署の窓口へ直接出向くことなく、パソコンやインターネット環境があれば事務所や自宅から申告手続きを行うことができます。
移動時間や待ち時間が不要になるため、業務の合間でも効率的に手続きを進めることができ、特に繁忙期においては大きな時間短縮につながります。また、遠方の税務署へ行く必要もなくなるため、交通費や移動に伴う負担の軽減にもなります。
2. 提出期限ギリギリでも対応しやすい
電子申告はインターネット経由で送信できるため、窓口の受付時間を気にする必要がありません。移動時間が不要な分、期限直前でも落ち着いて対応しやすくなります。急な修正や最終確認が発生した場合でも、迅速に再送信できる点も大きなメリットです。
3. 控え・提出履歴をデータで管理できる
提出データや受信通知を電子データとして保存できるため、紙の控えを保管する必要がありません。過去の申告内容や提出履歴をすぐに検索・確認でき、管理の効率化や保管スペースの削減にもつながります。
4. 記載内容のチェックがしやすい
電子申告システムには入力内容の自動チェック機能が備わっているため、記載漏れや計算誤りを事前に確認できます。提出前にエラーを把握できることで、修正対応がスムーズになり、ミスの防止につながります。
5. 環境負荷・コストの削減
電子化により紙や封筒、郵送費などのコストを削減できます。また、印刷や郵送に伴う資源使用を抑えることができるため、環境負荷の軽減にもつながります。業務効率化と同時に、持続可能な取り組みとしても有効です。
電子申告の方法と注意点
法定調書の種類ごとに、前々年の提出すべきであった当該法定調書の提出枚数が「100枚以上」(令和9年1月1日以降は30枚以上)であるものについては、e-Tax・eLTAX・光ディスク等・クラウドサービス等を利用して提出する方法があります。
e-Tax
e-Taxとは、国税庁が運営する「国税電子申告・納税システム」のことです。
インターネットを通じて、確定申告や法定調書などをオンラインで提出できる仕組みで、紙の提出や窓口持参に代わる方法として利用が広がっています。
e–Taxを利用するには、以下の3つの準備が必要になります。
1.利用者識別番号を取得する
e–Taxの利用には、半角16桁の番号からなる利用者識別番号が必須です。
利用者識別番号は、e–Taxホームページ「e–Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」で
電子申告開始届出書を作成・送信すると簡単に取得できます。
2.電子証明書を取得する
税務に関わるデータを送信する際には、本人が作成し、改ざんされていないことの証明が
必要です。その証として、電子証明書に裏付けられた電子署名を入れる必要があります。
電子証明書の取得方法については、e–Taxホームページを参照してください。
3.対応ソフトを用意する
e–Taxを利用するには、e–Taxソフトが必要になります。
e–Taxソフトでは、以下の法定調書(および同合計表)を作成することができます。
e–Taxソフトで作成できる書類 |
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【ご利用の流れについて】
実際のご利用手順(申告書作成 → 送信 → 納税)については、国税庁の公式ページで分かりやすくまとめられています。
👉 e-Tax ご利用の流れ(国税庁HP)
eLTAX(地方税ポータルシステム)
eLTAX(エルタックス)は、地方公共団体(都道府県・市区町村)が共同で運営している地方税の電子申告システムです。
国税を扱う「e-Tax」に対して、eLTAXは 住民税や事業税、償却資産申告など、地方税関連の申告・届出をインターネット経由で行える仕組みになっています。
従来は、法人住民税を本社所在地の自治体に、償却資産申告を事業所ごとの市区町村に…というように、自治体ごとに紙で申告書を作成し、窓口へ提出する必要がありました。
しかし、eLTAXを使えば 一つの窓口から複数の自治体へまとめて申告できるため、企業の事務負担が大幅に軽減されます。
光ディスク等
光ディスク等による法定調書等の提出は、大量の調書を1枚の光ディスク等で提出することができ、事務の省略化につながるほか、支店や工場等の提出分も含め、本店等の所轄税務署長に一括提出が可能です。
光ディスク等による提出可能な法定調書は「 光ディスク等の規格とレコードの内容及び記録要領について(法定調書)」に記載しております。
クラウドサービス
クラウドサービスを利用した法定調書の電子申告は、インターネット環境があればどこからでも利用でき、ソフトのインストールも不要です。画面の案内に従って調書を作成し、そのままe-Taxへ送信できます。署名や暗号化などの処理はサービス側で自動対応し、申告後の受信通知もクラウド上で確認・保存できるため、手間をかけずに安心して電子申告を行えます。
また、 クラウドサービス等を利用して法定調書を提出するためには、法定調書の提出者が「認定特定電子計算機による申請等の開始(変更)届出書」(令和3年10月以降e-Taxにて受付開始)を所轄の税務署長に提出する必要があります。

出典:国税庁 「 クラウドサービス等を利用した法定調書の提出について 」
これからの時代は“クラウドで完結する”業務へ
近年、あらゆる業務システムがクラウド化しています。
バックオフィス業務も例外ではなく、 「どこでも」「誰でも」「安全に」業務を進められることが求められるようになりました。
特に法定調書のように、毎年決まった時期に多くの担当者が関わる業務では、
クラウド化によって次のようなメリットが生まれます。
複数担当者で同時に作業ができる
→ データを共有しながら、入力・確認・承認がスムーズに。データ連携で二重入力を防止
→ 給与や経理システムとの連携により、転記ミスを削減。セキュリティ面も安心
→ アクセス権限管理や通信暗号化により、マイナンバーなどの個人情報を安全に扱える。テレワークや支店間でも業務が可能
→ インターネット環境さえあれば、どこからでも同じデータを操作可能。
法定調書業務のクラウド化なら「PCAクラウド法定調書」
法定調書の作成・提出は、年に一度の業務とはいえ、源泉徴収票・支払調書・合計表など多くの帳票を正確に作成し、期限内に提出する必要があるミスの許されない重要な仕事です。
しかし、従来のExcel管理や紙ベースの運用では、
「入力ミス」「確認漏れ」「担当者間の情報共有の難しさ」
など、 担当者の負担は大きくなりがちです。
そこで登場するのが、ピー・シー・エー株式会社(PCA)が提供する
「 PCAクラウド法定調書」です。
■ 電子申告にも完全対応
e-Tax・eLTAXに標準対応し、申告までクラウド上で完結。
印刷・郵送などの手間を省き、ワンクリックで提出できます。
忙しい年末の業務負担を大幅に軽減します。

出典:ピー・シー・エー株式会社「PCA法定調書シリーズの機能」
■ マイナンバーも安全に管理
暗号化やアクセス制限などの高水準セキュリティで、 マイナンバーを安心・安全に一元管理 。
クラウドだからこそ、共有と保護を両立できます。
■ 給与データとのスムーズな連携
「PCA 財務会計シリーズ」や「PCA 給与シリーズ」などの他システムとデータ連携が可能で、報酬等の支払調書を効率的に作成できます。また、給与システムの情報をそのまま活用し、ボタン一つで申請書類を作成できるため、e-Taxへの入力作業の手間を大幅に削減できます。
『PCA 法定調書シリーズ』e-Tax 適用調書 | |
・給与所得の源泉徴収票 ・退職所得の源泉徴収票 ・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 ・不動産の使用料等の支払調書 ・不動産等の譲受けの対価の支払調書 ・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 ・給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 ・配当、剰余金等の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書合計表 ・利子等の支払調書 ・利子等の支払調書合計表 ・非居住者等に支払われる給与、報酬、年金および賞金の支払調書 ・非居住者等に支払われる給与、報酬、年金および賞金の支払調書合計表 | |
『PCA 法定調書シリーズ』eLTAX適用調書 | |
・給与支払報告書(個人別明細書) ・給与支払報告書(総括表) | |
まとめ
電子申告やマイナンバー制度の広がりにより、
法定調書をはじめとする申告業務は、より正確でスピーディーな対応が求められています。
そんな中で注目されているのが、クラウドを活用した業務運用です。
データを一元管理でき、複数の担当者が同時に作業できる環境は、
これからのバックオフィス業務に欠かせない仕組みといえます。
紙やExcel中心の作業を見直し、システムやクラウドを上手に活用して電子申告を進めていくことが、安心で効率的な運用につながります。
これからの時代に合ったスタイルとして、
ぜひ“クラウドによる電子申告”を取り入れてみてはいかがでしょうか。







