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2022年度の雇用保険料は2段階引き上げに!負担割合や影響は?

「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が2022年年3月30日に国会で成立しました。
これにより、雇用保険料が2022年(令和4年)4月と10月に2段階で引き上げられます。
引き上げの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大、長期化による雇用調整助成金の支出急増があげられますが、今回は、雇用保険料率改定による負担割合と実務への影響について解説いたします。

目次[非表示]

  1. 1.改定後の保険料率
  2. 2.雇用保険料引き上げの背景
  3. 3.2022年度の年度更新の注意ポイント
  4. 4.これからの給与計算はクラウド型で
  5. 5.最後に


改定後の保険料率

一般の事業の場合、労働者・事業主負担合わせて2022年4月~9月は0.5/1000引き上がり(企業負担のみ)、2022年10月~2023年3月は4/1000引き上げられます。

2022年(令和4年)4月~9月

一般
9.5/100(労働者3/1000、事業主 6.5/1000
農林水産業・清酒製造
11.5/1000(労働者4/1000、事業主 7.5/1000
建設業
12.5/1000(労働者4/1000、事業主 8.5/1000


2022年(令和4年)10月~2023年(令和5年)3月

一般
13.5/1000(労働者5/1000、事業主 8.5/1000
農林水産業・清酒製造
15.5/1000(労働者6/1000、事業主 9.5/1000
建設業 
16.5/1000(労働者6/1000、事業主 10.5/1000

例)10月以降の一般の労働者負担分を月収が30万円の場合で考えてみると、月々900円だった雇用保険料が10月以降1,500円まで引き上げられることになります。

参考:令和3年雇用保険料率


雇用保険料引き上げの背景

コロナ禍で雇用調整助成金の給付が増加し、給付決定額が令和3年年末に5兆円を超えました。
雇用保険料は労使が負担する雇用保険料や国庫負担などで賄われており、今までは積立金が一定水準を超えていたことで、低い負担で抑えられてきましたがコロナ禍で積立金が減少しています。

参考:厚生労働省|雇用保険制度における積立金等について

もっとも、コロナ禍前までは失業率が低水準だったこともあり、平成29年には保険料率の引き下げが行われています。しかし、長期にわたる雇用調整助成金の支給により、今後も雇用保険料の引き上げがないとも限りません。給与担当者である場合、改定には注視していかなければいけませんね。


2022年度の年度更新の注意ポイント

2022年度の料率改定が、”給与計算”に影響を及ぼすのは10月以降適用の雇用保険料率ですが、年度更新時の概算保険料の計算も注意ポイントとして挙げられます。
2022年度は年度内に雇用保険料率の変更が行われるため、申告書への記載方法が例年から変更になります。概算保険料として見積もる額もこれに合わせた算出が必要になり、計算内容は下記になります。

2022年4月1日~9月30日概算保険料額2022年10月1日~2023年3月31日概算保険料額
2022年度概算保険料(雇用保険分)として申告・納付

年度更新の詳細については、申告書への記載方法の案内が例年より早く公開されおり、下記リンク「厚生労働省|労働保険年度更新に係るお知らせ」をご確認下さい。6月1日から7月11日の間に行う手続きとなります。

参考:厚生労働省|労働保険年度更新に係るお知らせ​​​​​​​


これからの給与計算はクラウド型で

今後、急激な制度変更は考えにくいものの、法改正に対応できるシステムを活用することで、制度改正の影響による人的ミス防止にもつながります。

給与計算業務を委託せず、自社で給与ソフトなどを使用して行っている場合、料率の設定変更を自分で行う必要があります。社会保険料率については毎年料率の変更が行われているので習慣化しているかと思いますが、雇用保険料率の改正は平成29年度以来となります。設定の変更時期や料率の設定間違いがないようにご注意ください。

クラウド型の給与ソフトを使用する場合、労働保険・社会保険料率の変更を自動アップデートで対応しているものもあり、変更漏れや設定間違いを防ぐことが可能になります。

保険料改定の対応以外でのクラウド型導入メリットとして、インターネットがあれば場所を問わず利用可能であることや、給与明細配信や給与振込のデータ連携に対応しているものもあり、業務改善が見込まれます。


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最後に

新型コロナウイルスが終息するまでは雇用保険料率の改定が定期的に行わることも考えられます。給与ソフトを既にお使いで、料率を手動で変更する必要がある場合は、一度クラウド型の給与ソフトを検討してみるのはいかがでしょうか。

注意点として、クラウドであっても手動で料率を変更する必要がある給与ソフトもあります。
クラウドについて、何ができるようになるのか興味がある・移行を検討をしている、などありましたらお気軽にご相談ください。


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