API連携とは?API連携で実現する業務効率化の具体例をご紹介
近年、企業では複数のシステムを使いこなすことが当たり前となっており、システム間のデータ連携が大きな課題となっています。API連携は、この課題を解決するための有効な手段として注目されています。
今回はそのAPI連携についての簡単なご紹介と、このAPI連携を活用することでどのように業務の効率化やコスト削減することが出来るか解説していきます。
目次[非表示]
- 1.API連携とは
- 2.API連携の主なポイント
- 2.1.APIの種類
- 2.2.API連携の利点
- 2.3.API連携の具体例
- 2.4.API連携のセキュリティ
- 2.5.APIドキュメント
- 3.API連携のメリットとデメリット
- 4.API連携を使用した業務の効率化
- 4.1.銀行API連携
- 4.2.販売仕入管理の効率化
- 4.3.財務分析の簡素化
- 4.4.複数システムの統合
- 5.まとめ
API連携とは
API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェアやシステムが互いに通信し、機能やデータを共有するためのインターフェースです。
API連携は、これらのAPIを使って異なるシステムやアプリケーションを統合し、データや機能を連携させることを指します。API連携をうまく行うことで、異なるシステムやサービスを統合し、効率的かつ効果的なアプリケーションを構築することができます。
(イメージ)
API連携の主なポイント
APIの種類
APIにはいくつかの種類があり、それぞれ目的や用途が異なります。
名称 |
内容 |
WebAPI |
APIの一種であり、Web技術を使用して提供されるAPIです。 |
RESTAPI |
WebAPIのひとつでHTTPプロトコルを使用し、リソース(データや機能)に対する操作(GET, POSTなど)を行います。 |
SOAPAPI |
WebAPIのひとつでXMLベースのプロトコルで、より厳密なセキュリティとトランザクション処理をサポートします。 |
ライブラリAPI |
特定のプログラミング言語や環境で提供される一連の関数、クラス、メソッドなどの集合で、特定のタスクを実行するために使用されます。 |
OSAPI |
オペレーティングシステム(OS)が提供するAPIで、アプリケーションソフトウェアがOSの機能やリソースを利用するために使用されます。 |
データベースAPI |
データベース管理システム(DBMS)とアプリケーション間でデータの操作や管理を行うためのインターフェースです。 |
API連携の利点
API連携の利点、大きく3つあります。
- データの統合
異なるシステム間でデータを共有し、一貫性のあるデータ管理を実現します。 - 機能の拡張
外部サービスの機能を自社のシステムに取り込むことで、機能の拡張が容易になります。 - 効率化
手動でのデータ入力や更新の手間を省き、業務プロセスを自動化します。
API連携の具体例
上記API連携の利点から、具体例を4つご紹介します。
- ソーシャルメディア連携
WebアプリケーションがFacebookやTwitterのAPIを利用して、ユーザーのプロフィール情報を取得したり、投稿を自動化したりします。 - 決済ゲートウェイ
eコマースサイトがVISAやPayPalのAPIを使って、決済処理を行います。 - CRMシステムとの統合
顧客関係管理(CRM)システムが他の営業支援ツールやマーケティングオートメーションツールと連携します。 - 金融API
金融機関が提供しているAPIを利用して、口座情報を管理します。
API連携のセキュリティ
API セキュリティとは、API をサイバー攻撃などのリスクから保護するための対策を指し、ユーザー独自の API と使用する API の両方の整合性を保護する機能などが必要です。具体的には、どのような機能でしょうか。 ここでは2つご紹介します。
- 認証と認可: OAuthやAPIキーを使用して、APIアクセスのセキュリティを確保します。
- データの暗号化: HTTPSプロトコルを使用して、データの送受信を暗号化します。
APIドキュメント
API連携を成功させるためには、詳細なAPIドキュメントが必要です。
APIドキュメントは、APIの使用方法や機能に関する情報を提供する文書です。 ドキュメントには、利用可能なエンドポイント、パラメータ、レスポンス形式、エラーメッセージなどが含まれます。
API連携のメリットとデメリット
API連携には多くのメリットがありますが、デメリットや課題も存在します。以下にそれぞれを詳しく説明します。
メリット
-
効率化と自動化
作業の自動化:手動入力やデータ転送の手間を省き、業務プロセスを自動化できます。これにより、時間と労力を節約し、生産性を向上させることができます。
リアルタイムデータ: リアルタイムでデータを取得し、最新の情報をもとに迅速な意思決定が可能です。 -
データの一貫性と正確性
エラーの削減: 手動入力によるミスを減らし、データの一貫性と正確性を確保します。
統一されたデータ管理: 複数のシステム間でデータを統一的に管理でき、データのばらつきを防ぎます。 -
拡張性
機能の拡張: APIを使って他のシステムやサービスと連携することで、既存のアプリケーションに新たな機能を追加できます。
モジュール化: システムをモジュール化し、必要な機能だけを追加・変更することが容易になります。 -
コスト削減
開発コストの削減: サードパーティのAPIを利用することで、自前で開発する必要がなくなり、開発コストを削減できます。
運用コストの削減: 手作業を減らし、運用にかかるコストを削減します。 -
ユーザー体験の向上
シームレスな連携: ユーザーは複数のサービスを一貫して利用でき、操作の一貫性が向上します。
カスタマイズ性: ユーザーのニーズに応じてシステムを柔軟にカスタマイズできます。
デメリット
-
セキュリティリスク
データ漏洩: API経由でデータが外部に流出するリスクがあります。特に金融データや個人情報を扱う場合は慎重なセキュリティ対策が必要です。
不正アクセス: APIキーやトークンが盗まれたり、不正アクセスを受けるリスクがあります。 -
依存性
サードパーティ依存: 外部のAPIに依存するため、そのサービスが停止したり、変更された場合に影響を受けることがあります。
バージョン管理: APIのバージョンが変更されると、互換性の問題が発生し、連携がうまくいかなくなることがあります。 -
パフォーマンスの問題
遅延: 外部APIを呼び出す際に遅延が発生する可能性があります。特にリアルタイム性が求められるシステムでは注意が必要です。
スループット: APIの呼び出し回数が多い場合、スループットの制限に引っかかることがあります。 -
コスト
利用料金: 一部のAPIは利用するために料金が発生します。特に大量のデータを処理する場合、コストが高くなることがあります。
開発コスト: 初期の導入や設定には、APIの学習やシステムの構築にコストがかかる場合があります。 -
信頼性の問題
サービスの安定性: 外部APIのサービスがダウンした場合、連携するシステム全体が影響を受ける可能性があります。
品質管理: 外部APIの品質やサポートの質が低い場合、連携の信頼性が低下します。
ここまで、API連携のポイント、メリット・デメリットについて紹介しました。API連携は、現代のソフトウェア開発、利用において非常に重要な技術であり、さまざまなシステムやサービスが効率的かつ効果的に連携するための基盤となっています。
では、次からはAPIやWebAPIを活用するとどの様な場面で業務効率化につながるのかみていきましょう。
API連携を使用した業務の効率化
銀行API連携
- 自動化された取引データの取得
銀行APIを利用して、銀行口座の取引明細を自動で取得し、会計ソフトにインポートします。これにより、手動で取引を入力する手間を省きます。 - 残高のリアルタイム確認
銀行APIを通じて、いつでも口座残高をリアルタイムで確認できます。これにより、資金繰りの管理が容易になります。
販売仕入管理の効率化
- 請求書の自動生成と送信
APIを利用して、売上データから自動的に請求書を生成し、顧客に送信します。会計ソフトやCRM(顧客関係管理)システムと連携することで、請求業務の効率化が図れます。 - 自動支払いスケジューリング
支払いスケジュールをAPIで管理し、期日になるとオートマチックで支払いを実行します。これにより、支払いの遅延を防ぎ、キャッシュフローの管理が容易になります。 - 経費報告の自動化
経費報告システムとAPIを連携させることで、領収書の写真をアップロードし、自動的に経費項目を分類・登録することができます。
財務分析の簡素化
- 財務レポートの自動作成
会計データをAPIを通じてリアルタイムで取得し、自動で財務レポートを生成します。これにより、経営判断を迅速かつ正確に行うことができます。 - 税務申告のデータの自動集計
会計ソフトのAPIを利用して、必要なデータを自動で集計し、税務申告書の作成を支援します。これにより、手作業のミスを減らし、申告作業を迅速に行うことができます。
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複数システムの統合
- ERPシステムとの連携
ERP(企業資源計画)システムと会計ソフトのAPIを統合することで、在庫管理、販売管理、人事管理などのデータを一元化し、会計処理を効率化します。
まとめ
API連携には効率性や正確性の向上、コスト削減といった多くのメリットがありますが、セキュリティリスクや依存性、コストなどのデメリットも存在します。これらを理解し、具体的な状況に応じて適切なソフトの選定やセキュリティ対策を講じることで、API連携の利点を最大限に活かしながら、潜在的な問題を最小限に抑えることが出来ます。
API連携を上手く活用することでより効率的で効果的な運用が可能になり、競争力を高めることができるでしょう。
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