経理システムとは?種類や、導入メリットと選ぶ際のポイントを解説
近年、電子帳簿保存法やインボイス制度など、経理業務に影響する税制改正が続いています。 経理システムとは、経理部門が使用するシステム全般の総称です。
税制改正へ的確かつ効率的に対応するためには、システムを利用すると便利ですが、「経理向けのシステムにどのような種類があるのか」「システムを導入するメリットがよくわからない」「システムを比較するポイントは?」というお悩みを抱えている方も多くいます。
本記事ではそうした悩みを解決するため、経理システムとは何か、導入メリットや機能、システムの選び方について解説します。
目次[非表示]
- 1.経理システムの種類
- 1.1.経費精算システム
- 1.2.電子請求書発行システム
- 1.3.債権・債務管理システム
- 2.経理システムのタイプ
- 3.経理システムの導入のメリット
- 3.1.業務の自動化と効率化(ルーティン業務の削減)
- 3.2.社内経理情報の一元管理
- 3.3.法対応へのスムーズな対応
- 4.経理システムの選び方
- 4.1.導入目的を明確にする
- 4.2.使いやすさ
- 4.3.システム連携・移行ができるか確認する
- 4.4.導入後のサポート
- 5.まとめ
経理システムの種類
経理システムとは、経理部門が使用するシステム全般の総称です。
経理は会社経営の「利益」を生み出すお金を管理する重要な役割です。多くの利益を生み出すためには、より多くの取引数、取引量を正確に管理する必要があります。
経理部門向けのシステムには様々な種類があります。経理業務を効率化できるシステムとしては、以下の3種類がおすすめです。
経理システムの種類は、大きく以下の3つに分けられます。
経費精算システム
電子請求書発行システム
債務・支払管理システム
以下で解説していきます。
経費精算システム
経費精算システムとは、経費精算に必要な申請・承認・経理部での処理といった業務を効率化するシステムです。
対象としては、経費精算、交通費精算、交際費精算などがあります。単にエクセルや紙伝票をWebに置き換えただけでなく、自動化の機能拡充も進んでいます。
経費精算 システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 経費申請~承認のワークフロー機能
- 会計システムとの連携やFBデータ作成
- 支払い処理
(経費システム利用のイメージ)
入力が自動化されることにより、楽になるだけでなく、入力間違いや虚偽の申告といった不正の防止の見落としなどにも一役買っています。
電子請求書発行システム
電子請求書システムとは、請求書をPDFファイルなどで電子データ化するシステムのことです。
請求書発行をWeb上で完結させることのメリットは、請求書の印刷・封入・発送といった作業に要していた工数がゼロになる点です。最近はシステム自体がクラウド型である場合が多く、保存先を自社サーバではなくクラウド上に指定することで、どこからでも閲覧できるようになっています。
さらに、紙の場合と違って保管場所の確保や原本控えなどの書類の劣化の心配がなく、保存自体が簡単です。
電子請求書発行システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 請求書の作成・発行・送付
システム連携
入金消込の自動化
システム連携では、自社で使用している会計ソフトとAPI連携が可能なものがあります。また入金消込の自動化では、金融機関と連携して請求書における消込を自動化できる請求書発行システムもあります。
>販売仕入管理システムとPOSレジのデータ連携でデジタル化を進めた事例がこちら。
債権・債務管理システム
債権・債務管理システムは、会社全体、取引先毎、取引毎の債権と債務を正確適時に把握するためのシステムです。 既存の 会計システムや販売管理システム、購買管理システムなどと連携して、様々な取引を一元管理することで、業務の効率化を実現します。
一見すると、ここには「請求書」や「領収書」が存在していないので、電子化とは関連ないと誤解されるかもしれませんが、債権・債務管理システムを利用することで、銀行のファームバンキングデータ(FB)を連動させて自動で入金消込ができます。
債権・債務 管理会計システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 支払消込
- 支払分析
- 債務データ作成
- 支払い予定表の作成
以上で紹介した3種類のシステムは、どれも導入によって一定の業務効率化が見込めますが、組み合わせて使用することでより大きな効果を発揮することができるでしょう。
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経理システムのタイプ
経理システムには大きく分けて、インターネットを経由して利用する「クラウド型」と、パソコンにソフトをインストールして使う「インストール型」の2つのタイプがあります。
かつては、インストール型の会計システムが一般的でしたが、現在ではクラウド型のシステムが数多く開発・提供されるようになっています。
それぞれ、メリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
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クラウド型 |
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|
インストール型 |
|
|
経理システムを導入する際は、自社にとってどちらの方が使い勝手が良いのか考えて判断しましょう。
クラウド型
クラウド型の強みは、「定期的に機能がアップデートされる」という点です。
またクラウド型はインストールの必要がなく、インターネット上でサービスにアクセスするだけで使えます。インターネット環境とアクセス情報さえあれば場所を問わず使えるので、複数人での利用やテレワークなどにも適しています。
たとえば、複数人で会計システムを操作し、なおかつリモートワークが進んでいるような状況においてはクラウド型の会計システムがおすすめです。
ただし、インターネット環境がなければ使用できないほか、月額利用料が発生するなど固定費制であることに注意しましょう。
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インストール型
インストール型の会計システムは、パソコンに会計システムをインストールして使用する会計システムです。インターネット環境に接続することなく使用できるため、外部漏洩のリスクが少なく動作も安定することがメリットとして挙げられます。
基本的には買い切り型で、一度購入すれば追加料金が発生しないことも大きなメリットです。ただし、法改正などによってアップデートを行う場合に、追加費用が発生することがあります。
企業規模が大きくなく、会計業務を行う担当者が決まっている上に、社内で業務する体制が構築されてる場合ではインストール型が良いでしょう。
経理システムの導入のメリット
業務の自動化と効率化(ルーティン業務の削減)
経理システムを導入することで、毎日行うルーティン業務を削減できます。
例えば伝票処理など手動による入力ではミスが発生しやすいですが、自動入力の範囲が増えるため人的ミスを減らすことができます。伝票を電子化して会計システムに取り込めるようにすれば効率化が図れます。
事務作業は手間がかかり、経理部門において効率化を図りたい最たる部分ではないでしょうか。経理システムを導入することで、煩雑な手作業を削減し、業務を効率化することができます。
社内経理情報の一元管理
一元管理とは、経営活動において生じるさまざまなデータを一カ所に集め、統一的なルールのもとで管理していくことを指します。
会計システムをはじめとした経理システムを導入することによって、社内の情報を一か所に集めることができます。例えば、複数拠点の数字を本部に集約するなども可能。情報を集めることにより、後から検索したり再確認できるので、税務対応や監査対応も容易になるでしょう。
一元管理には前述のようなメリットがある一方で、大変さも存在します。スムーズな一元管理を実現するための社内ルール作りも求められます。たとえば、
- これまでの情報保管の場所を変える必要性
- 情報共有のやり方を変えたりする必要性
等が生じるため、業務プロセスに大きな変更が発生する可能性もあるでしょう。
>拠点ごとの管理を一元化したかったためクラウド版を導入した事例がこちら。
法対応へのスムーズな対応
経理システムを導入することによって、法対応を容易にすることができ、経理担当者の手間を削減することができます。例えば税率や税制度に変更があった際、経理システムが導入されていれば、システムの設定を変えたりアップデートすることで法対応が可能です。
また、電子帳簿保存法が緩和されたことで、帳簿をデータとして保存することも可能となっているため、紙での保管にかかる手間やコストを削減することができます。
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経理システムの選び方
導入目的を明確にする
経理システムは導入することが目的ではなく、何のために導入するのかを考えることが大切です。
- 担当者の手間を減らしたい
- ミスの軽減
- 経営分析までを行い、自社の成長につなげたい
- 法改正への対応
など、目的は企業によって様々です。自社の目的が達成できるかどうかを、逆算的に考え、目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。
使いやすさ
日常的に使用する経理部門の担当者が使いやすいかどうかは、経理システムを比較する際の重要ポイントです。
毎日使用するものなので、少しでも「使いにくい」と感じてしまうと、それがストレスになります。最初は小さな我慢でも、それが続くと作業効率低下につながるので、経理担当者の意見は重要です。
実際の画面を使ったデモ説明を無料で実施している経理システムもありますので、まずはこういった説明を経理担当者と一緒に聞いてみるのもよいでしょう。
>仕訳業務増大でクラウド会計システムを導入した事例がこちら。
システム連携・移行ができるか確認する
既存の会計システムや販売管理システムと連携できるかを確認しましょう。連携可能なシステムを選ぶことで、運用がスムーズになります。
例えば会計システムを電子請求書発行システムや債権管理システムと連携させれば、自動的に仕訳の入力ができるでしょう。また、会計システムのデータを税務申告システムに連携することで、決算申告業務がスムーズに進みます。
>債権・債務関係の仕訳が会計システムへ転送できるようになった事例がこちら。
導入後のサポート
導入後のサポートは、どこまでフォローしてもらえるのかが重要です。
特に導入初期はわからないことが多く、サポートが必要な場面が多いでしょう。不明点が出た際、すぐに相談できる窓口があるかどうか、また、手厚いフォローを受けられるかどうかは大切です。
なかなか迅速に対応してもらえなければ、経理システムを導入しても結果的に作業効率が低下しかねません。サポート体制はシステムの提供元によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
>当社のソフトウェア『インストラクター』とは
まとめ
経理システムは自社の形態にあったものを選ぶ必要があります。 経理部門の業務効率化には、手作業部分をどの程度まで自動化できるかがポイントです。 経理システムを活用することで、より多くの取引を効率化し、クラウドで管理することにより煩雑なアナログ管理から脱却することができます。
当社では、メーカー認定のインストラクターが、30社以上の業務ソフトを取扱い、導入をサポート致します。マルチベンダーとして中四国(四国四県・広島・岡山)を中心に活動させていただき、それ以外のエリアではオンラインでもご対応致します。
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