会計システムの種類と自社にあった機能の選び方
会計システムとは、会計担当者が行う帳簿や決算書などの作成のサポートや人的ミスのリスクの低減を実現するシステムのことです。本記事では、会計システムについて種類や機能、導入するメリットなどについて解説します。以下で解説する各システムの機能や役割から、自社に必要な機能を持つ会計システムを選択しましょう。
目次[非表示]
- 1.会計システムの種類
- 1.1.財務会計システム
- 1.2.管理会計システム
- 1.3.債務・支払管理システム
- 2.会計システムのタイプ
- 3.会計システム導入の効果
- 3.1.効率的なデータ管理と集計
- 3.2.人為的ミスを軽減
- 3.3.法改正へ柔軟に対応
- 4.自社にあった会計システム選び方
- 4.1.導入目的を明確にする
- 4.2.使いやすさ
- 4.3.システム連携・移行ができるか確認する
- 5.まとめ
会計システムの種類
会計システムの種類は、大きく以下の3つに分けられます。
- 財務会計システム
- 管理会計システム
- 債務・支払管理システム
以下で解説していきます。
財務会計システム
財務諸表など、企業の会計情報を外部の利害関係者に提供することを目的とした会計を「財務会計」といいます。財務会計で必要なのは、期間や他社との比較ができる統一された決算書、そして決算書作成のための適切な会計処理です。
財務会計システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 伝票入力
- 帳簿作成
- 自動仕訳
- 金融機関等とのデータ連携
- 決算書作成
- 帳票等の出力
- 固定資産管理
管理会計システム
管理会計とは、会社内部のステークホルダーである取締役や経営者が、会計状況を把握することを目的とした会計のこと。つまり、管理会計システムとは、企業の経営層が自社の経営状況を適切に確認できるようにしたシステムをいいます。
すべての企業で導入されているシステムではありませんが、会計情報の把握と活用が経営にも関係してくることから、注目されるようになってきました。
管理会計システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 予実管理(予算実績管理)
- 経営分析
- 経費管理
- 今後の損益などのシミュレーション
債務・支払管理システム
債務・支払管理システムとは、支払手形や買掛金などの債務を取引先ごとに分け、支払が遅延なく行われているか管理するためのシステムです。
財務会計システムでは、債務の総額を確認することはできても、支払期限がいつかなど、取引先ごとの詳細までは基本的にみることができません。
取引先が多いほど複雑で、経理以外の部門も関わる可能性がある債務に関しては、詳細を管理できるシステムである債務・支払管理システムが便利です。
債務・支払管理会計システムには、主に以下の機能が備わっています。
- 支払消込
- 支払分析
- 債務データ作成
- 支払い予定表の作成
会計システムのタイプ
会計ソフトには大きく分けて、インターネットを経由して利用する「クラウド型」と、パソコンにソフトをインストールして使う「インストール型」の2つのタイプがあります。
かつては、インストール型の会計システムが一般的でしたが、現在ではクラウド型のシステムが数多く開発・提供されるようになっています。それぞれ、メリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
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クラウド型 |
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インストール型 |
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会計システムを導入する際は、自社にとってどちらの方が使い勝手が良いのか考えて判断しましょう。
クラウド型
クラウド型はインストールの必要がなく、インターネット上でサービスにアクセスするだけで使えます。インターネット環境とアクセス情報さえあれば場所を問わず使えるので、複数人での利用やテレワークなどにも適しています。
たとえば、複数人で会計システムを操作し、なおかつリモートワークが進んでいるような状況においてはクラウド型の会計システムがおすすめです。
ただし、インターネット環境がなければ使用できないほか、月額利用料が発生するなど固定費制であることに注意しましょう。
インストール型
インストール型の会計システムは、パソコンに会計システムをインストールして使用する会計システムです。インターネット環境に接続することなく使用できるため、外部漏洩のリスクが少なく動作も安定することがメリットとして挙げられます。
基本的には買い切り型で、一度購入すれば追加料金が発生しないことも大きなメリットです。ただし、法改正などによってアップデートを行う場合に、追加費用が発生することがあります。
企業規模が大きくなく、会計業務を行う担当者が決まっている上に、社内で業務する体制が構築されてる場合ではインストール型が良いでしょう。
会計システム導入の効果
効率的なデータ管理と集計
会計システムを導入すると、負担が大きい仕訳伝票の起票作業が効率化されます。定期的に必ず発生する仕訳を一括入力したり、外部ファイルや販売管理システムなどの外部システムから取引データを取り込んで自動的に起票したりすることで、業務の省力化が可能です。
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人為的ミスを軽減
処理を自動化すると手書きや手入力による部分を減らすことができ、入力ミスや二重計上、残高の不一致などの単純なミスを防ぎます。
(イメージ)
法改正へ柔軟に対応
税率や税制の変更があったときには、システムの設定を変えたり、システムをアップデートしたりするだけで対応できます。税率の段階的な変更にも柔軟に対応可能です。
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自社にあった会計システム選び方
導入目的を明確にする
会計システムを導入する際には、自社が何を成し遂げたいのかを明確にしましょう。業務効率化、ミスの軽減、法改正への対応など、目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。
使いやすさ
日常的に使用する経理部門の担当者が使いやすいかどうかは、会計システムを比較する際の重要ポイントです。
毎日使用するものなので、少しでも「使いにくい」と感じてしまうと、それがストレスになります。最初は小さな我慢でも、それが続くと作業効率低下につながるので、経理担当者の意見は重要です。
実際の画面を使ったデモ説明を無料で実施しているシステムもありますので、まずはこういった説明を経理担当者と一緒に聞いてみるのもよいでしょう。
システム連携・移行ができるか確認する
既存の会計システムや販売管理システムと連携できるかを確認しましょう。連携可能なシステムを選ぶことで、運用がスムーズになります。
複数の経理システムを連携させれば、大きな業務効率化につながるため、システム間の連携ができるかどうかも確認できると良いでしょう。例えば会計システムを電子請求書発行システムや債権管理システムと連携させれば、自動的に仕訳の入力ができるでしょう。同時に領収書の保管もできるので、経理の手間が省けます。また、会計システムのデータを税務申告システムに連携することで、決算申告業務がスムーズに進みます。
>事例:会計システムの連携
まとめ
会計システムを導入すると、帳簿付けをはじめとする会計業務が自動化でき、手間と時間を大幅に軽減することができます。入力した取引データは自動で転記、集計され、計算ミスなどの心配もありません。
会計システムは種類によって使える機能が異なるため、自社の状況に合わせたものを選ぶことが大切です。会計ソフトの操作に慣れていなかったり、簿記や会計の知識に自信がなかったりする場合は、操作性やサポートの有無も大きなポイントになります。使いやすい会計システムを選び、業務の効率化・省力化を目指しましょう。
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