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【2025年4月施行】育児・介護休業法の改正ポイント

育児・介護休業法が改正され、2025年4月より順次施行となります。全企業が対象となり、育児休業・介護休業などに関する新たな義務が発生するため、対応のポイントを押さえる必要があります。

本記事では、2025年4月からの改定概要、ポイントや注意事項、手続きの手順を解説します。

※この記事は、2024年4月時点の法令等に基づいて記載しています。

目次[非表示]

  1. 1.改正の概要・目的
  2. 2.育児・介護休業法の改正内容
    1. 2.1.子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
    2. 2.2.育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
    3. 2.3.介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等
  3. 3.人事労務担当者が対応しておくこと
  4. 4.まとめ

改正の概要・目的

育児介護休業法は、男女の性差に関わらず出産・育児・介護といったライフイベントと仕事を両立するために制定されました。

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2022年から2023年にかけて大きく改正されましたが、今回の改正の目的は「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実」です。改正法による変更ポイントは、大きく分けて以下の3点です。

    1. 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
    2. 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
    3. 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

    それぞれの変更内容について、以下にて解説します。

    育児・介護休業法の改正内容

    1つ目は、子どもの年齢にあわせた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充です。

    子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充

    詳細がこちらです。

    項目
    内容

    子が3歳になるまでの両立支援の拡充

    • テレワークを活用促進するため事業主の努力義務とする。
    • 短時間勤務制度について、1日6時間を必置とした上で、他の勤務間も併せて設定することを促進するとともに、短時間勤務制度を講ずることが困難な場合の代替措置にテレワークを追加する。
    子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充
    • 各職場の事情に応じて、事業主が柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢(始業時刻等の変更、テレワーク等、短時間勤務制度、保育施設の設置運営等、新たな休暇の付与)から労働者が選択可能なものを2以上選択して措置を講じる義務が設けられる
    • 対象労働者に対する個別の周知および意向確認を行うことも義務付けられます。

    残業免除の対象範囲拡大

    • 残業免除の対象が小学校就学前の子を養育する労働者まで拡大
    • 現行法では、所定外労働の制限(残業免除)の対象となるのは、3歳になるまでの子を養育する労働者に限られています。

    子の看護休暇※の拡大

    • 学級閉鎖・子の行事に参加する場合等にも、看護休暇を取得できるようになります。
    • 看護休暇の対象となる子が、現行の小学校就学前から小学校3年生まで拡大されます。
    • 勤続6カ月未満の労働者を、労使協定に基づいて看護休暇の取得対象外とすることができなくなります。

    仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮義務

    • 労働者が事業主に対して妊娠・出産などを申し出た場合には、事業主は労働者に対して、仕事と育児の両立に関する個別の意向を聴取し、その意向に配慮することが義務付けられます

    ※「看護休暇」とは、負傷しまたは疾病にかかった子の世話などを行うための休暇です。対象となる子を養育する労働者は、1年度当たり5日(対象となる子が2人以上の場合は10日)を限度に看護休暇の取得が認められています。


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    育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化

    2つ目は、育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化です。

    項目
    内容

    育休取得状況の公表義務の拡大

    • 育休取得状況の公表義務の対象が、常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主まで拡大されます。
    • 現行法では、常時雇用する労働者の数が1,000人を超える事業主に、毎年1回以上、育児休業の取得状況を公表する義務が課せられています。

    行動計画策定時における状況把握・数値目標設定の義務付け

    • 従業員数100人超の事業主に対して、行動計画策定時に育児休業の取得状況等に係る状況把握および数値目標の設定が新たに義務付けられます。

    次世代育成支援対策推進法※の有効期限を10年間延長

    • 次世代育成支援対策推進法の有効期限が2035年3月31日まで10年間延長されます。
    • 法改正以前においては2025年3月31日限りで失効するものと定められていました。

    ※「次世代育成支援対策推進法」とは、次世代育成支援対策に関する基本理念や行動計画策定指針などを定めた法律です。

    急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に鑑み、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成に資することを目的としています。

    介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

    • 介護直面労働者への個別の周知・意向確認・情報提供・研修等の義務化
    • 要介護家族の介護中の労働者へのテレワーク導入の努力義務
    • 介護休暇の対象者範囲の拡大

    項目
    内容

    個別周知・意向確認・情報提供・研修等の義務化

    家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合に、会社が、会社が整備する両立支援制度等に関する情報を当該労働者へ個別に周知し、意向を確認することが義務付けられます。

    • 介護に直面した労働者が申出をした場合に、両立支援制度等に関する情報の個別周知・意向確認
    • 介護に直面するよりも早期(40歳等)の情報提供
    • 研修や相談窓口の設置等の雇用環境の整備

    テレワーク導入の努力義務

    • 事業主には、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が介護休業をしていない場合に、在宅勤務等(テレワーク)の措置を講ずることが新たに努力義務として課されます。

    介護休暇※の対象者範囲の拡大

    • 勤続6カ月未満の労働者を、労使協定に基づいて取得対象外とすることができなくなります(改正法16条の6)。
    • 就職したばかりの労働者であっても、一律に介護休暇の取得が可能となります。

    ※「介護休暇」とは、要介護状態にある家族の世話を行うための休暇です。対象家族のいずれかが要介護状態にある労働者は、1年度当たり5日(対象家族が2人以上の場合は10日)を限度に介護休暇の取得が認められています。

    人事労務担当者が対応しておくこと

    今回の改正対応は、人事労務担当者の実務では影響が大きい内容です。具体的に対応すべき事項としては以下となります。

    • 就業規則の変更
    • 社内規定変更の周知
    • 従業員に意向確認

    会社内では、誰もが育児・介護を行っているわけではありません。育児・介護を行っていない労働者に業務が集中し、周囲への業務負担が結果的に「不公平感」がおこらないよう配慮が必要です。

    まとめ

    今回の改正内容については、企業規模や業界にかかわらず、全ての企業に適用となります。

    なお、テレワークについては、困難な業種・職種があることを勘案し、努力義務に留まっているため、現時点では過度に対応する必要はないと考えられます。

    改正法による変更点を踏まえて、さまざまな措置や取り組みを通じて仕事と育児・介護の両立を促し、いっそう働きやすい環境への改革を目指しましょう。

    >導入事例

      株式会社エフエム徳島様の導入事例|業務ソフトで給与・会計・販売管理のお悩みを解決 - ナイスシステム 【導入ソフト】 勘定奉行i11 Sシステム/固定資産奉行i11 Sシステム/入金管理オプション 支払管理オプション/法定調書奉行i11 Bシステム/給与奉行i11 Bシステム/人事奉行i11 Bシステム 【サービス内容】 導入前相談/ソフト選定/ソフトのバージョンアップ/インストール/初期設定/操作説明/他社ソフトへの入替(セットアップ・データ移行) 【形態】 オンプレ 株式会社ナイスシステム


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